麹の効能3

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ネットニュース見てて思ったんだけど、韓国のこの番組、日本の『しくじり先生』に似ているような。。。
「過去の失敗を教壇に立って、生徒役に扮するタレントらの前で語る」という点が似てるけど、パクリなのかどうなのか。このあたりは微妙なところだね。
「教壇の前に立って生徒役のタレントらをいじる」というパターンなら、昔からあった。『ひょうきん族』でもあったし『めちゃいけ』の岡村女子高校もそうだし『さんま大先生』なんかはそのものだよね。そういう意味では、『しくじり先生』も過去のスタイルをパクってると言えなくもない。

個人的には、パクってたって全然いいと思うのよ。スタイルを踏襲して、そこに自分なりの独自色とかアイデアを加えて、本家を超えてもっとおもしろくしていけばいい。ただ、認めて欲しいよね。「日本のこういう番組を参考にしました」って。韓国の人たちって、そういうの認めないでしょ。ああいうのはどうかなって思う。

現状に何らかの問題があると、たいてい「過去の日帝支配のせいで」という言葉が出てくる。なるほど、日本が韓国を植民地化したことは事実だろう。差別とか理不尽なこともあったかもしれない。しかし、何かにつけて延々「過去」「過去」と持ち出されては、こちらもうんざりしてしまう。
これ、アドラー心理学的には、原因論にとらわれている典型例だと思う。「今うまくいかないのは過去の日帝支配のせいだ」という理屈に安住して、現状を変えていこうという姿勢がない。「どんなふうに改善していきたいのか」の目的論で行きたいよね。そっちの方が未来に希望が持てるから。

臨床でもそういう患者はたくさんいる。たとえば「親からひどい虐待を受けて育ちました。自分の人生がうまく行ってないのはそのせいだと思います」と患者から言われたりする。なるほど、確かにひどい親だ、と思う。患者の話に感情移入しすぎて、もらい泣きしそうなことさえある。しかし、それでも、その原因論を手放さないといけない。ちょっとずつ、ちょっとずつ、目的論のほうに誘導する。何度か診察を重ねるうちに、最初は愚痴ばかりだった患者も、少しずつ前向きになっていく。患者自身が気付き始めるんだ。「過去を悔いてばかり、って意外にエネルギーを消耗するし、同じエネルギーを使うなら、未来に向けて発散したほうがいいな」と。誰しも悔やんで生きたくなんかない。人間には、本来前向きに生きようとする性向が備わっているみたいなんだ。

なぜこんなことを思ったのか。
麹のことをネットで調べてて、マッコリも麹でできていることに気付き、ふと、こんな記事が目にとまった。

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長い文章を短くすると、以下のようである。
「朝鮮総督府による韓国文化の抹消政策により、多くの伝統酒が姿を消した。しかし唯一生き残ったのが、マッコリである。しかしこのマッコリも、日帝時代に持ち込まれた菌が使われているため、”韓国伝統酒”とは言い難い。
そこで新たな菌を見つけるため、研究に着手。苦節13年、ついに優れた菌株3種を見つけ特許を取得した。マッコリが”真の韓国伝統酒”となる第一歩となった」

韓国人の気持ちとしては、「仮にも”韓国伝統酒”と名乗っているのに、日本の世話になっているのが許せない」ということだろう。僕なんかは単純に、「おいしい酒ができるなら、どこの国出身の菌でもいいじゃない」って思うんだけど^^;実用主義すぎるかなぁ。
一方、海外に輸出するマッコリには英語表記で「Pure Unfiltered Sake」とか「NIGORI SAKE」と表記して、すでに知名度の高い日本酒に便乗してるところもあって、韓国人としては、プライドをとるか実利をとるか、悩ましいところだね。

ただ、上記記事のなかに、ひとつ、見過ごせない事実誤認がある。
「マッコリを作るための菌は日本統治時代に日本から持ち込まれた」という旨の記載があるが、これは違う。マッコリを作る菌(河内菌)が韓国に持ち込まれたのは、日本統治時代ではなく、戦後のことである。
山元正博氏(源麹研究所会長)「祖父(河内源一郎(1883~1948))の下で朝鮮人の丁稚が働いていました。よく働く丁稚さんで、祖父も目をかけていました。終戦後、祖父はこの丁稚に河内菌を渡し「この菌を使って韓国で一旗揚げるといい。これでマッコリを作ればもっとおいしくなるだろう」と作り方まで教えて韓国に帰しました。この丁稚が韓国で大成功を収め、今や韓国の焼酎もマッコリもすべてこの河内菌で作られています。
ソウルオリンピックの時も本家の技術を学びたいと韓国の焼酎メーカーが大挙して我が社に来られました。もちろん技術の交流もさせていただきとてもいい関係を結べたと考えています。それを政治的な思惑でしょうが一緒くたに反日でまとめられたのではたまったものではありません」

そう、民間の交流、個々の日本人と韓国人の交流には何ら問題がなくても、そこに政治的な要素がからんでくるとややこしくなる。ことを荒立てたい人がいるんだろうね。日本にも韓国にも。
個人的には「中国韓国何するものぞ」的なネトウヨ思想に興味はない。ただ、正直言って、韓国のマッコリは飲みたくないと思っている。それは、単純に、健康上の理由から。

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人工甘味料ね。これだけはいただけない。アスパルテーム飲むぐらいなら、まだしも砂糖のほうがマシ。なんでこんなの入れてるんだろう。

本物のマッコリが飲みたい。そう思って、上記の山元会長の会社のマッコリを買ってみた。

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さすが本家というか、これ、”生もの”なんだ。つまり、菌が生きているから、製造日からどれだけ経ったかによって熟成度が違う。作られて1週間以内だとデンプン質が多く残っていて甘い。アルコール度も低くて3%くらい。1週間以上発酵が進むと、味が甘口から辛口へ変わっていき、次第にアルコール度も高まっていく。最大で8%くらいになる。
開けるタイミングによって味が均一じゃないというのがおもしろい。味とか品質とか画一的な商品ばかりの時代だから、こういうのは逆に新しいと思う。
ただ、残念なのは、あまりにもおいしいせいで、すぐに飲み干してしまうこと。アルコール度が高まるのを待つだけの自制心が僕にはなくて、まだ3%の味しか味わえてないっていう(笑)

【参考】
『韓国のマッコリは私の祖父が教えた』
https://praha-gen.com/post-1864/

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