https://lorphicweb.com/wp-content/uploads/2022/02/cimb-44-00073.pdf
再掲する。重要な論文だから、何度でも挙げたい。
これまで、厚労省は「mRNAは短期間で分解」され、「人の遺伝情報(DNA)に組み込まれることはない」と説明していた。前者の主張が間違いであることは、以前の記事で指摘した(「mRNAは簡単には分解されない」) 。しかし今回、上記の論文は、後者の主張を真っ向から否定している。コロナワクチンに含まれるmRNAは、接種を受けた人のDNAに取り込まれる。厚労省がこの意味を重視するなら、この論文1本だけで「コロナワクチンの即時中止」を決断してもいいぐらいの衝撃である。当然、未来のある子供たちに遺伝子改変リスクのあるこの液体を注入するなんて、もってのほかだ。
コロナワクチンを躊躇なく推奨していた医者や研究者たちは、この論文を読み、何を思うだろう?「自分が間違っていた」と反省するだろうか?自分の過ちを恥じ入り、謝罪するタイミングを伺い始めるだろうか?
この論文について、今のところ表立って意見を表明しているワクチン推進派医師はいないようだ。
宮坂昌之(阪大名誉教授)
「免疫学者として50年以上にわたって基礎ならびに臨床研究を続けてきた立場から言わせていただくと、世界中の科学者が結託して、ワクチンに有効なデータを捏造するようなことは断じてありません。科学者はデータに対して極めて誠実です。ワクチンの有害性が裏付けられれば、躊躇なくその危険性をいっせいに公開するはずです。科学者が魂を売ることはまずありません」
すばらしい宣言だ。データに対して誠実であれば、上記の研究の重要性をすぐに認識し、コロナワクチンの危険性を訴えてくれるに違いない。と思いきや、、、以下、宮坂先生とA医師とのやりとり。
A「昨年の超過死亡7万の前には、どんな海外論文も無力です」
宮坂「その中身をご存知なのですか?まずはご自分で元のデータ、論文を見てくださいな。他の論文を読まずに無力も何もないでしょう」
A「先生、、、本当にどうされたんですか?コロナ騒動初期の頃には、1年で完成したようなワクチンは信用できない、抗体も役に立つかどうか、長期的な影響も不明だとおっしゃっていたじゃないですか?データだって、製剤の内容も明かしてないし、研究することもできない。しかも不都合な論文は査読で落とされる。こんななかに出てくる論文が、中立できれいなものだと、本気で思っておられますか?」
宮坂「あなたは論文査読をしたことがありますか?一人がおかしなことを言っても、あと二人の査読者がいます。サイエンスはそう簡単に個人の意思では動きません。それと、1年前のことを言っておられますが、その後新たに多くのデータの蓄積があるのです。ご自分の目で見ておられますか?」
A「そういう言い方は研究者以外はしゃべるな、と取れます。データも論文もいいですが、まずは事実を見てください。一年経ったぐらいでは長期的な影響は分からないはずです」
宮坂「そういう言い方をされるようでは、これ以上のお話は無理ですね。専門性は大事なことですよ」
A「お互い様です。専門性の前に、まず事実です。後遺症に苦しまれる方の声を聞いてください」
宮坂「目の前の事実、社会レベルでの事実、国レベルでの事実、世界レベルでの事実と、事実には様々なレベルがあります。目の前の事実と思っていたことが、もっと広いレベルまで目を広げるとそうではないことがいくらでもあります。ご自分の目の前のことだけではなくて、専門性を大事にしながらもっと視野を広げてみてください」
A「最初に戻りますが、2021年の6.7万人という戦後最大の超過死亡という事実はワクチンと無関係だと思われますか?」
宮坂「関係しないと考えています。
死亡率の上昇はワクチン接種より前から始まっていて、ワクチン接種開始後も死亡率は同じ増え方です。右と左の縦軸の違いをよく見てください。死亡率の増え方は100が単位、接種の増え方は1000万が単位ですよ。ワクチン接種により死亡が増えていたら、普通の死亡率の増え方はこのグラフにはとても治まりません」
A「そのグラフの出所は知りません。後で精査します。私が言っているのは厚労省の発表です。
当初mRNAはヒトのDNAには組み込まれないと皆言っていましたが、この主張と反対の現象が確認されました。科学が解き明かせることには限界があるものです。もう少し謙虚な態度が必要ではありませんか?」
宮坂「話をずらさないでください。しかし、あえてその「ずらし」に乗るとすれば、次のようなことが問題です。そもそも、mRNAがDNAに組み込まれるかどうかは、その細胞に逆転写を許す仕組みがあるかどうかによります。普通の細胞にはその仕組みがないので、逆転写は起こりません。逆転写が起こるという論文を実際に読んでみられましたか?特別な条件をセットしているために逆転写が起きているのです。ここも元の論文を読めばわかることですが」
A「真偽はともかく、後からわかることはいろいろあるのでは、という意味で言っています」
宮坂「この実験は培養細胞株を用いたもので、LINE-1が刺激によって高発現する株です。普通はこうはなりません。それに、この雑誌のインパクトファクターは2.1です。その程度のデータが載る雑誌ということです。いずれにせよ、次々と話を変えずに、元の話に戻って欲しいものです」
A「ずらしているつもりはありません。繰り返し言いますが、科学で分かることなどわずかです。論文やその信頼度が、という話ではありません。50年研究現場におられて、製薬業界マネーがどれほど強い力を持っているか、まさかご存知ないはずがないでしょう。ワクチン論文がクリーンで金が絡んでいないというのは、単なる幻想です。打たなければ亡くならなかった命がどれほど多いことか、少しでも思いめぐらしたことがありますか?」
宮坂「また話をずらしていますね。科学でわかることなどわずか、というのが反ワクチンの人たちの決まり文句です。でも、元の論文を読まずに言っているので、さっぱり説得力がありません。
私はコロナに関する論文を2つ書いていますが、まったくお金は絡んでいません。そもそも論文を書くのにはお金など絡まないのですよ。あなたのいた大学では論文を書くのにお金が絡んでいたのですか?」
A「ここは私のフィードです。反ワクチンとひとくくりに言われるのであれば、もうお話は終了です」
宮坂「おしまいで結構です」
上記のやりとりを見て、僕は感心した。なるほど、さすが専門家だ、と。
コロナワクチンのmRNAがDNAに取り込まれたとしても、「普通の細胞ではなく、特殊な細胞株を用いた実験結果だ」とか「インパクトファクターの低い雑誌だから」と言えば、素人としてはこれ以上、返す言葉がない。超過死亡6.7万人という異常な数字を突きつけられても、動じない。堂々と「ワクチンが原因ではない」と主張する。
反省?過ちを恥じ入る?とんでもない。
どんな角度から突っ込まれても、それ相応のもっともらしいことを言って、素人をけむに巻く。こういう図太さを持ち合わせて初めて、「専門家」を名乗れるんだな。
去年の夏、宮坂先生は息子さんに先立たれた。ワクチン接種後の死亡であったため、僕は「ワクチンが原因で亡くなったのではないか」という旨の記事をブログに書いた。すると、宮坂先生本人から連絡があり、ブログの削除と謝罪記事の掲載を求められた。ブログの削除には応じたが、謝罪記事については応じなかった。すると、弁護士から内容証明郵便が届いた。カルロス・ゴーンの弁護を担当したことのある超有力弁護士事務所だった。こうなっては仕方ない。僕も我が身を守る必要があるから、弁護士を立ててやり合った。やり合いながら「なんて不毛なんだろう」と思った。お互い高額な弁護士費用払ってさ。もっと普通に、分かり合えないものかな。
しかし、かたくなな医師ばかりではない。たとえば、先日高知県で講演をしてきたが、高知県の感染症対策協議会の会長は、以下のように考えている。
「コロナワクチンは『打つ』『打たない』双方の選択肢が尊重されるべきだ。『心配だ』という人は様子を見てもいいでしょう」
ワクチン接種した12〜15歳男児では心筋炎の発症率が13000%上がる。もはや「任意接種」などとのん気なことを言っている場合ではなく、即刻中止されるべきところだが、日本医師会や小児科学会は、「心筋炎はまれ。原則打つべし」という方針である。トップがそういう具合なので、医師会に所属している、というだけで、ワクチン慎重論は言いにくい空気がある。ましてや、感染症対策協議会会長という責任ある立場の人が慎重論を打ち出すのは並大抵のことではない。僕のようなフリーの開業医が言うのとは、重みが違う。相当な勇気が要ったに違いない。
こういう人が増えてくれば、空気は着実に変わっていくと思う。