水と健康3

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兵器の開発とその防御法の開発はコインの表と裏で、常にワンセットである。だから第一次大戦でドイツ軍が初めて塩素ガスを兵器として使ったときも、同時にガスマスクが実戦配備された。
ガスマスクの開発にあたって、どのような物質を使えば最もフィルター能率がいいか、様々な検証が行われた。結果は、意外なことに、炭だった。燃焼した後の木材の残りカスである。人類が火の使用を開始して以後、最も身近にある素材、単なる炭が、空気中の異物を最も効率よく吸着した。さらに、どの植物から生成した炭が最も優れているかを調べたところ、ヤシ殻が最上だった。ヤシ殻は、ヤシから有用な成分(砂糖や油など)を抽出した後の残りカスである。ヤシ殻活性炭は、その残りカスを燃やした後の残りカスである。利用価値など一切ないかに思われるカス中のカスこそが、毒ガス防御に最適な物質だと判明したことに、ドイツ軍の化学兵器開発者は当惑した。「いずれ時代が進み科学が進歩すれば、優れたろ過素材が新たに開発されるに違いない」と彼らは考えた。しかし、彼らの予想は外れた。
塩素ガスからイペリット、タブン、ソマン、サリンなど、次々と強力な毒ガス兵器が開発される一方、「防御」であるガスマスクについては、開発から100年以上経った今でもなお、ヤシ殻活性炭を上回るろ過素材はない

戦後、塩素ガスが大量に余ってしまった。そこで、塩素の「平和利用」として、水道の殺菌に使用することが提唱された。戦前の日本には塩素の添加は義務ではなかったが、戦後GHQが塩素消毒の徹底を指示し義務化された。日本の水道水には塩素が0.1 ppm以上含むことが水道法で定められている。
塩素という有毒成分について、上限があるのはともかく、下限が設定されているのは驚きで、こういうところに敗戦国の刻印が残っている。

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今の日本では、浄水場は大規模食品工場のようであり、水道水は添加物まみれの危険な食材のようだ。原水に苛性ソーダを加えてアルカリ性にし、ポリ塩化アルミを入れてフロック(沈殿物)を除去し、さらに次亜塩素酸を入れて殺菌する。さらに水道管の腐食防止のために苛性ソーダを入れ、最後にダメ押しの次亜塩素酸
無論、このように作られた水は、水として死んでいる。

塩素はもちろん、毒物である。水道水を介して体内に摂取された塩素は、脂肪と結合するとガムのような粘着性の物質を生じる。これが血管の内壁に沈着すると、動脈硬化を起こす。飲み水の塩素濃度とコレステロール、甲状腺機能は密接に関係している。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC323101/

健康のためには、毒物を摂取しないことである。しかし毒物を含むとはいえ、水道水を利用しないわけにはいかない。そこで炭によるろ過が重要になってくる。
化学兵器としての塩素ガスに対抗するのが活性炭であったのと同様、水道水の塩素に対応できるのも活性炭である。
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0008622398001651
というか、水道水に含まれている有害物質は、だいたいウルオで対応できます(笑)

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事後的対応として、すでに体の中に入ったアルミを除去する方法(あるいはアルミの毒性を緩和する方法)として、ケイ素、クルクミン、緑茶を挙げたい。

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講演会終了後、近くの居酒屋で酒を飲みながら、小野さん、こういう話をされた。
「富岡市のお客さんから、『浄水器がすぐに詰まってしまう』と連絡がありました。うちの浄水器を導入する前に、すでに何社か他のメーカーのを試しておられて『どこの浄水器を使ってもすぐに詰まる』とのことでした。浄水フィルターを3本にして対策をとりましたが、3か月後にはまた詰まりました。フィルター1本あたり1か月しか持たないわけです。普通の水質ならフィルターは1年は持ちますから、明らかに異常です。水質検査をしたところ、0.09 ppmのアルミが検出されました。基準値は0.2以下ですから、基準値以下ではありますが、0.09は非常に高い数値です。本来なら0.01以下が好ましいところです。意外に思われるかもしれませんが、アルミは粘っこいんです。水道水に多く含まれているとフィルターに目詰まりを起こします。結局このお客さんの家には、3か月に1回のフィルター交換を4回繰り返しました。
一番やるべきことは、フィルターによる対策ではなく、元を断つ、つまり、水道局にアルミの使用量を減らしてもらうことです。そこで、富岡市の水道局に事情を話しに行きました。しかし、けんもほろろです。ろくに話を聞いてもらえません。『素人が何を言う』ってなもんです。我々水のプロが直談判に行っても、相手にしてもらえないんです。一般のお客さんが苦情を言ったところで、すぐに門前払いです。
被害を受けるのは、このお客さんだけではありません。富岡市のこの水系を利用している人全員が、アルミに曝露しているわけですから。
ある議員に事情を伝えたところ、動いてくれました。水道局に直々に出向き、担当者にこう詰め寄りました。『なぜ富岡だけアルミ濃度が異様に高いのか?高崎も安中も藤岡も、0.01未満。同じ水系を利用していながら、これだけ大量のアルミを使う理由は何なのか?富岡の住民の健康を一体何だと思っているんだ?
これは効きましたね。私たちが言っても『基準値内だから問題ない』の一点張りだった担当者が、ハハァーとかしこまっていました。この議員のおかげで、富岡市のアルミ濃度の問題は改善しました。フィルターの交換も年に1回で済むようになりました。
議員の力というのはこういうふうに使うものですね。しかしこの一件で明らかになったのは、水道水に添加される薬品の量は、水道局担当者の裁量次第ということです。アルミの毒性に無知な担当者なら『基準値内におさまってさえいればそれでオッケー』程度の認識かもしれません。

埼玉のお客さんで『シャワーなどで水道水を使うと肌があれてしまう』とい
う人がいました。水質を測ると、塩素濃度が2 ppmでした。塩素は1以下でないといけないので、明らかに基準値を超えています。水道局の担当者に言ったところ、実際に計測に来ました。測ると、0.8だって言うんですね。そんなはずはない。おかしい。でも、0.8だと言い張る。これ、信じがたいことなんですが、上限が0.8しか出ない設定にして測っているんですね。
役所にクレームを言いに行くと、ものすごい剣幕で怒られました。一般人だと思われていたので、自分の身分を明かしました。そのうえで「私の測定結果とそちらの測定結果がまったく合致しません。このあたりについて詳しく事情が聞きたい。もっと上の担当者を出してください
まずいと思ったのか、結局上司が出てきて、私に平謝りでした。不正な測定をしていたことを認めた形です。こんな具合に、埼玉の塩素の問題は、議員に頼ることなく、私だけで解決できました。

今日の講演でもね、先生言っておられましたけど、今後日本の水道事業は外資の食い物にされます。営利体質むきだしの外資が水道の経営権を握ったら、どうなるか?水の安全性とか国民の健康なんて一顧だにしませんよ。今はまだマシなんです。我々も水道局の人間もお互い日本人で、何とかあの手この手で問題解決できる。でも外資系企業に牛耳られた水道局は、こちらの意見なんて何も聞かないでしょう。埼玉の塩素濃度のごまかしなんて可愛いもので、もっとひどいデタラメをしてくると思います水を外国に押さえられるということが何を意味するか、分かってない人が多すぎます

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