癌に効く食材5

・ニンニク

ニンニクがコロナに効くという。

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記事によると「ニンニク抽出物がコロナウイルス(SARS-CoV-2)やインフルエンザウイルスに対して、最大99.9%の抗ウイルス効果を持つことが発見された」とのことだけど、、、
正直、今さら?って感じです。ニンニクの抗ウイルス作用については、自慢じゃなけど3年前から言ってたよ(笑)たとえばコロナの流行し始めた当初、こんな記事を書いていました。
https://clnakamura.com/blog/5936/
https://clnakamura.com/blog/6291/

ニンニクの効果は実に多岐にわたります。コロナに効くという抗ウイルス作用だけではなくて、抗菌作用(anti-bacterial)、抗真菌作用(anti-fungal)もあります。
僕らの日常用語で、菌といえば、ばい菌、つまり、細菌も真菌もごちゃまぜにした、とにかく「汚らしい病原微生物」という感じだけど、微生物学的にいうと、細菌と真菌はまったく別物です。生物種の距離としては、人間とオラウータンの違いなんて比較にならないほど、まったく違います。細菌は原核生物、つまり細胞核を持たず、DNAがむき出しの状態になっている。しかし真菌は核を持つ真核生物である。
たとえば納豆は納豆菌という細菌の産物であり、麹はコウジカビという真菌の産物です。
造り酒屋の一人娘が、男と恋仲になり結婚することになった。しかし娘の父は、その男の職業を知るやいなや、結婚に断固として反対した。なぜだと思いますか?その男の仕事が納豆屋だったから、という話を以前の記事で紹介しました。
https://clnakamura.com/blog/5362/

ニンニクは細菌、真菌のどちらにも抗菌作用を発揮します。実はニンニクには抗癌作用があるのですが、それはニンニクの抗真菌作用によるものではないか、という説があります。
そもそもの話ですが、癌とは何か、という問題について、「癌とはカビの一種である」と考えた医者がいました。イタリアのトゥーリオ・シモンチーニ(1951~)によると「癌の原因は真菌(Candida albicans)であり、カンジダの異常増殖によって生成される」、また、「癌は重曹の注射によって治癒できる」として、実際数多くの癌患者を治癒に導いた。しかしシモンチーニ博士、医師免許を剥奪されてしまった。まぁこの手の話はこの界隈ではよくあることです。本当に効く治療法を見つけてしまうと、「彼ら」が黙ってないからね。
このあたりのことも、以前の記事に書いています。
『重曹とニンニクの抗癌作用について』
https://clnakamura.com/blog/5450/

ニンニクが癌に効くこと。これは秘密でも陰謀論でも都市伝説でもなくて、アメリカ政府(アメリカ国立癌研究所)が1990年代にはっきりと認めている。癌の増加に対して何とか解決策を見出したいアメリカ政府は、1990年代2000万ドルの予算を投じて、癌予防に有効な可能性のあるフィトケミカルを特定し、それを加工食品に添加する計画を開始した(デザイナーフーズ計画)。
あらゆる食品を分析した結果、最も抗癌作用が強い食材はニンニクだった。ニンニクに続き、以下、キャベツ、甘草、大豆、ショウガ、セリ科植物(ニンジン、セロリなど)、玉ねぎ、茶、ウコン、玄米、亜麻、柑橘類(レモン、オレンジなど)、アブラナ科(ブロッコリー、カリフラワー)などが並ぶ。

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Caragay, A. B.: Cancer preventive foods and ingredients. Food Technol. 4 : 65-68, 1992.

すべての食材のなかで、ニンニクは最も強い抗癌作用を持つ。これがアメリカ政府も認める事実だとして、しかし、毎日ニンニクをたっぷり食べましょう、とはならないところがニンニクの難しいところ。そう、あの匂いですね。社会人であれ学生であれ、男であれ女であれ、おおよそ人と会話する機会があるすべての人にとって、口からあの強烈なニンニク臭がしては、今の世の中ではマナー違反になってしまう。「そんなもん、人にどう思われようが関係あるかい!」という猛者は、どうぞ、遠慮なく生のニンニクを毎日1かけら食べてください(笑)しかしほとんどの人はそうではないだろう。「ニンニクが体にいいのは分かる。でも、あのにおいがしては接客業失格だから、どうしても食べれません」みたいな。
そこで、対策は二つある。
ひとつは、無臭ニンニクですね。

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もうひとつは、黒ニンニク。

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既製品を買ってもいいし、普通のニンニクを蒸して自分で作ることもできる。プルーンのような甘さで、もともとのニンニクとは似ても似つかぬ風味になっている。ニンニク臭がゼロというわけではないけど、大幅に低減しているから、食べやすいだろう。

・ウコン

上記のデザイナーフーズ計画にウコンが挙げられていることから分かるように、ウコンにも抗癌作用がある。
なぜウコンが効くのか。それについてのレビューがある。

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https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34572272/

「慢性炎症は万病のもと」だけれども、ウコンに含まれているクルクミンはそうした炎症を鎮める効果があって、結果的にそれが癌の発症を抑えることになっている。

さらに別のレビューとして、以下のような論文がある。

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https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC7446227/

クルクミンの抗癌作用は、具体的には、発癌抑制、血管新生の抑制、腫瘍増大の抑制という3つの機序があるという。また、抗癌剤や放射線で治療中の患者にとっても、クルクミンは助けになる。標準治療とクルクミンの併用により、抗癌剤や放射線の有効率が高まり、生存期間の延長、副作用軽減に効果があった
この「併用」という視点は大事です。
個人的には、自分が癌になったときには、抗癌剤や放射線は使いたくない。まず日頃から癌にならない生活習慣を心がけるべきだし、仮に癌になったとしても、別の治療アプローチを選ぶと思う。しかし標準治療(外科手術、抗癌剤、放射線)を選ぶことがダメだとは言わない。こういうのは価値観とか習慣の違いに過ぎない。風邪を引けばすぐ病院に行く人もいれば、誰にも頼らず家でひたすら寝て治す人もいる。どちらがいいか悪いかというか、考え方の違いです。それに、二択の問題でもないと思う。癌になった。標準治療で行くか、代替療法で行くか、さてどうするか。そういう二択の問題ではない。大腸にできた癌のせいで腸閉塞を起こしているとなれば、これはすぐに手術したほうがいい。こういう緊急性を要する状況では西洋医学が強いから、ちゃんと頼ればいい。ここから医者は、さらに「腹水から癌細胞が検出されました。転移の可能性があるので抗癌剤を始めましょう」などと言うだろう。僕が患者なら「いや、そこまではけっこうです」と固辞するけど、ほとんどの患者は「ではお願いします」となるだろう。別にそれはそれでいい。でもそういうふうに標準治療を選択した人も、代替療法的なアプローチを併用することを忘れないでほしい。
これはむしろ医者に言うべきかもしれない。現場でよくあることだけど、患者が抗癌剤治療を断ったとする。「抗癌剤はあまりいいうわさを聞きませんのでね。ビタミンC点滴とか食事療法で様子を見ようかと思います」などと言おうものなら、その瞬間、主治医の表情が一変して、「ああ、そっちですか。じゃ、こちらでできることはありません」などと冷たく突き放されたりする。
「そっち」じゃねえよ。代替療法を選択する患者のことを、何かおかしな宗教にはまる信者のようにでも思っているようだ。なぜ一部の患者が標準療法を忌避するのか、ちょっとは考えてみたらどうですか。見てるんですよ。自分の家族が抗癌剤治療を受けてひどい目にあった姿を。癌と診断されながらも、それまでは普通に元気にしてたのに、抗癌剤治療を始めてから明らかに体調がおかしくなった。そういう家族の姿を実際に見ているんです。だから標準治療に対して警戒しているんです。医者のみなさん、標準療法の危険性について、また代替療法の有効性について、ちょっとでも勉強したらどうですか。「クルクミンの併用により標準治療の奏効率が高まり、患者のQOLがアップする」。そういう知識があれば、抗癌剤で治療中の患者に対して、クルクミンの併用という選択肢も出てくるでしょう。代替療法をする人を「そっち側」と切り捨てるのは、知的怠慢だと思います。僕らはもうちょっと、お互い歩み寄れないものでしょうか。

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