5Gとメラトニン

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以前のブログで、電磁波照射により体に様々な悪影響があることを紹介した。今回の話も、その延長である。
電波塔の近くに住んでいる人では癌の発生率が高い、というのは都市伝説でも何でもなく、科学的な事実である。実際、不動産関係者にとって、電波塔の近くの物件は家賃が安くなることは常識だろう。

電波塔がなぜ、どのような機序で発癌につながるのか。こんな論文がある。
『超低周波磁場によるメラトニン抑制~癌発生率増加との関連性』


「人工的な電磁場に曝露する環境に住んでいる(あるいは働いている)人では、癌の発生率が高いことが報告されている。
動物に静的なパルス化地磁気あるいは超低周波磁場に曝露させると、一様に見られる変化として、夜間のメラトニンレベルの減少がある。
メラトニンは、主に松果体(脳の中心付近にあるピーナッツ大の器官)から分泌されるホルモンで、夜間のメラトニン産生量が多いほど、夜間の血中メラトニン濃度も高くなる。
ヒト(あるいは動物)に対して夜間に光(可視的電磁照射)に曝露させると、松果体でのメラトニン産生および血中メラトニン濃度が急速に減少する。同様に、動物に様々な磁場(静的パルス化磁場や超低周波磁場)に曝露させると、メラトニン濃度が低下する。
メラトニンは効果的な癌抑制因子であり、癌の発生と成長の両方を防ぐ。従って、夜間のメラトニン減少は、細胞の発癌物質に対する感受性が高まることを意味する。
【結論】
人工的な電磁場曝露はヒトの癌発生率を高めるが、その機序のひとつには電磁場曝露によるメラトニン減少が関与しているものと思われる」
非常に強力な電磁場を形成する5Gが、無害であると考える理由はない。5G曝露によって、メラトニンの血中濃度が減少することが予想される。

さて、今度は少し視点を変えて、メラトニンと新コロの関係について見てみよう。

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covid19の致死率は、この図を見ればわかるように、年齢と比例している。
致死率が最も高いのは、80歳以上の患者であり、逆に9歳以下では死亡は確認されていない。なぜ若年者(特に子供)ほど、致死率が低いのだろうか。
この謎を考えるにあたって、以下のグラフを見て欲しい。年齢が上がるにつれ、メラトニン濃度が下がっていくのがわかる。
[Source: Grivas TB, Savvidou OD. Melatonin the “light of night” in human biology and adolescent idiopathic scoliosis. Scoliosis. 2007;2:6. Published 2007 Apr 4. doi:10.1186/1748-7161-2-6]

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このグラフの意味は?
一体メラトニンがどのようにSARS-CoV-2と関係しているのだろうか。
メラトニンは体内時計に作用し、サーカディアンリズム(概日リズム)に関連した機能を調整していることで知られている。しかしメラトニンの働きはそればかりではない。炎症物質(NLRP3インフラマソーム)に対する抗炎症作用を示す。

2つの事実がある。
・炎症誘発性サイトカインストームがNLRP3インフラマソームの活性化を起点に誘導されるということ。
・メラトニンにはNLPR3インフラマソームを抑制する作用がある。

これらの事実を考え合わせると、covid19とどのように戦えばよいかが見えてくる。
十分な血中メラトニン濃度が保たれていれば、covid19に対する感染予防となり、かつ、仮に罹患したとしてもARDS(急性呼吸窮迫症候群)やALI(急性肺損傷)を発症する可能性が大幅に減少する、ということである。

ビタミンDが風邪やインフルエンザなどの感染症に効くことにはエビデンスがあるが、この背景にはメラトニンが関与している可能性がある。
『緯度、ビタミンD、メラトニン、腸内細菌の関係と多発性硬化症』


9歳以下の子供でcovid19の重篤な症状がほとんど見られないのは、メラトニンのおかげである。実際、小児ではcovid19陽性でも症状がないか、あってもごく軽微である。

メラトニンにはビタミンCをはるかに上回る抗酸化作用があり、抗癌作用もあるということは、オーソモレキュラー療法の勉強会で聞いたことがあったが、新コロに有効である可能性は下記参考文献を読むまで想像もしていなかった。不眠症の患者にメラトニンを勧めることはよくあるが、まさか、同時にコロナ予防になっていたとは。。。

勉強すればするほど、自分の無知が明らかになるものだ。

参考『covid19、肺炎 インフラマソーム、メラトニンの関係』

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