芸能ニュースから

『ニュース23』のメインキャスターを務める小川彩佳氏の夫(豊田剛一郎氏)が不倫していたことが、芸能ニュースで大きく取り上げられている。
「赤ちゃんを抱えて仕事復帰したばかりでこんなことが起きて、小川さん、かわいそう」
「仮にも医療に従事する者が緊急事態宣言下に不倫とは言語道断。代表辞任などという対応でマスコミの追求をかわそうとしているのだろうが、許されるものではない」
「いやぁ、文春砲、いつもすごいな」
ネット上は小川氏への同情の声、豊田氏を批判する声、騒動を茶化す声など、大いににぎわっている。
しかし僕にとっては、完全に、どうでもいい話である。
男なんだから不倫ぐらいするだろう。何千年前、何万年前から繰り返されてきた男の習性である。”ニュース”ではない。

と思っていたら、なんと、不倫した豊田氏が代表取締役を務める(正確には”かつて務めていた”)株式会社メドレーCLINICSから、当院に謝罪のメールが来た。

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当院ではオンライン診療をする際、メドレーCLINICSのプラットフォームを使っている。まったくの他人事の芸能ニュースだと思っていたが、案外そうでもなかったようだ。
今回の不倫の件、多くの人にとっては対岸の火事、単なる見世物だろうが、直接的、間接的な被害を受けた人もいる。
一番の被害者は小川氏。これは間違いない。でも他にも、メドレー社の株を保有している人、メドレー社のサービス(電子カルテなど)を利用している人なども、被害者と言えば被害者である。だからこそ、メドレー社から当院に対して、謝罪のメールが来たわけだ。
「電子カルテはどこの会社のを使っていますか?」
「メドレーのを使ってます」
「ああ、小川彩佳の不倫した旦那の会社ね」
などと言われたら、まじめな人は不愉快に思うかもしれない。僕は何とも思わないけどね。

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森喜朗五輪委員会会長の発言「女性がたくさん入っている会議は時間がかかる」に対して、マスコミが集中砲火の攻撃を加えている。
正直僕は森氏の発言にちょっと共感したんだけどね。
女の人ってまじめだからさ、変に細部にこだわって、話が膠着したりする。その点男はずぼらだから、「早くタバコ吸いに行きたい」とか思って、会議でも”早く終われ”オーラを出しまくってたりする(笑)
会社とか働く現場を知ってる人は、この辺の男女差、肌で実感してるんじゃないかな。だから森氏の発言に内心同意してる人って、けっこういると思うんだけど。
でも男女同権が叫ばれる今の時代には、こういう発言はアウトなんだね。少なくとも公的な場では。息苦しい時代だね。

男女同権とかの観点でいうと、僕の上記の言葉「男なんだから不倫ぐらいはするだろう」もアウトだろう。
でもこの言葉、フェミニストに全面賛成するわけでもないけど、確かに不正確だと思う。不倫をするのは何も男に限らないよね。
さらに言うと、人間に限らない。ペア外交尾(extra-pair copulation;要するに浮気)は様々な動物で確認されている。
動物はなぜ不倫するのか?そのメリットは?動物の観察から得られる研究知見が、人間にも生かされるとおもしろいよね。実際この辺りの研究はかなり進んでいる。
たとえば、長らく連れ添ったつがいのマウスがいる。そのオスを引き離し、別のメスを与え、しばらく一緒に生活させる。そしてまた、もとのメスのところへ戻す。すると、交尾の頻度が増加する。
どういうことか、わかりますか?
長らく連れ添ったマウスとは、いわば”マンネリ”していたのよ。そこに、別のメスの味を覚えさせ、その後、もとさやに戻してやると、慣れ親しんだはずの古女房が”妙に色っぽく新鮮に見え”、それでイチャイチャの頻度が増えた、ということ。
このようにして考えると、男性の不倫を”不貞行為”とあっさり一蹴するのは早計で、むしろ「本妻を常に新鮮な目で見たい」という男の配慮と見るべきではないか。
いや、もちろん、愛人に本気で入れあげて「妻とは離婚する。君と一緒になる」みたいになっちゃ本末転倒だよ。こうなってこそ、確かに「小川さんかわいそう」だし「豊田氏の行為、許すまじ」と言えると思う。でも、本妻を長く愛したい、という絶対的な思いがあって、その思いを実現するための手段としての浮気(マンネリに陥らない工夫としての浮気)は、多少同情の余地があってもいいんじゃないかな。
と、豊田氏擁護論でも書こうものなら、きっと批判されるだろうな(笑)

【参考】
『メスのペア外交尾~適応によるものか遺伝的制約によるものか』
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0169534714001086

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