薬で病気になる理由

50代女性
「10年ほど前に血栓症と言われて、それ以来ワーファリン(抗凝固薬)とアトルバスタチン(コレステロール降下薬)を飲んでいます。あと胃薬も。
でも最近こういう薬が体に悪いと知って、それで主治医に薬をやめたいと言いました。すると、「やめるといろいろ病気になるけど覚悟の上か?」と聞かれて、怖くなって「やっぱり続けます」と。
と言ったものの、やっぱりやめたいんです。どうにか上手にやめる方法はないでしょうか。
コレステロールは放っておくと200いくつとか高くて、家族性高コレステロール血症だと言われています。「そのせいで血栓ができやすいんだ」と。
子供のときから虚弱でした。頭痛持ちで、風邪を引けばすぐ薬を飲むようなタイプ。抗生剤とか痛み止めとか、今でこそ極力使わないようにしてますけど、若いときは遠慮なく飲んでいました。
毎年職場の検診で心電図の異常を指摘されたり、おまけにLDLも高かったりするので、ワーファリンとスタチンだけは仕方がないのかなという思いもありますが、何とかなりますか?」

ワーファリンは飲んではいけない薬の代表格です(というか、飲んでもいい薬というのは基本的にありません)。

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ワーファリンは1930年代に干し草から単離され、1948年に殺鼠剤として販売されました。もちろん今でも売っています。

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有効成分:ワルファリン0.05%

殺鼠剤として開発されてから10年も経たない1954年、同じ物質が抗凝固薬として認可されることになりました。
まず、素朴な感覚を大事にしてください。「飲んだネズミが死ぬ薬が、人間に無害である理屈があるだろうか?」と。医者は患者に薬を飲ませようとしてあれやこれやと理屈を言いますが、この素朴な直感のほうが正しいことが多いものですよ。

ワーファリンはどのようにして抗凝固作用を発揮するのか?
体内には凝固因子(Ⅱ、Ⅶ、Ⅸ、Ⅹ)というのがあって、これは医学部で必ず習います。国家試験にもよく出るので、医学生はこの凝固因子を「肉納豆」(2、9、7、10)とゴロ合わせで覚えているものです。
これらの凝固因子は皆、分子構造のなかにグルタミン酸を含んでいます。このグルタミン酸基に対して、γグルタミルカルボキシラーゼという酵素が作用して、カルボキシル基をくっつける。この反応をGla化といいます。
活性のない凝固因子はGla化されることで初めて活性を得て、凝固作用を持ちます。このGla化には、ビタミンKが電子供与基として関わっています。

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電子を供与したビタミンK(酸化型ビタミンK)を、再び還元するのがビタミンK還元酵素ですが、ワーファリンはこの酵素の働きをブロックします。
つまり、ワーファリンを飲んでいると、体内では還元型ビタミンKがどんどん減少していく。要するに、ビタミンK欠乏状態になります。するとどうなるか?
実はGla化されるのは凝固因子だけではありません。オステオカルシンという骨の代謝に重要なタンパク質もGla化されることで活性を持ちます。これは骨芽細胞から分泌されるタンパク質で、骨形成、血糖値安定、筋肉増強、記憶力増強など、いろんな作用がある。逆にいうと、ワーファリンを飲んでビタミン欠乏状態になりGla化が進まない、つまり、オステオカルシンが活性化されない状態が続くと、カルシウムを骨に定着させることができなくて骨粗鬆症になり、血糖値が乱れて糖尿病になり、筋肉がやせて認知力も低下する、という具合にろくでもないことになります。また、骨にとりこまれなかったカルシウムはプラークとして動脈の内壁に沈着して動脈硬化を促進することになる。
プラークが沈着して内壁が固くなり細くなった血管は、当然血栓がつまるリスクが増加する。

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ここには、要素還元主義に陥った医者の愚かしさがよく出ています。
医者は血栓症の患者に対して「ワーファリンは血栓予防薬です。これを飲んで、同じことがまた起こらないようにしましょう」などと言って服薬指導する。局所的な説明としては正しい。しかし全体としてみると間違っている。医学って本当、こういうことばかりですよ。

あと、スタチンも飲んではいけません。これについてはすでに過去記事で何度もお伝えしました。ただ、このビタミンKという文脈でいうと、実はワーファリンだけではなく、スタチンもビタミンKを減少させます

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スタチンを飲むと、なるほど、確かにコレステロールの数値は低下する。しかし、同時に大事なものを失うことになる。具体的には、コエンザイムQ10、ヘムA、セレン含有タンパク、ビタミンKも体内から消えていく
コエンザイムQ10がなくなるとミトコンドリアでのエネルギー産生が低下し疲労など様々な異常が出る。ヘムAがないと赤血球産生が低下して貧血をきたす。セレン含有タンパクがないとグルタチオンが作れず体は酸化してゆく。ビタミンKがないと動脈硬化が進んでいく。
スタチンを飲むことで、コレステロールを下げるという、その目的は実現するだろう。しかし、目的を達成しても何ひとつ健康になっていない。むしろ病気になっている。
ワーファリンやスタチンのバカバカしさを通じて、医療がいかに詐欺的であり、犯罪的であり、茶番であるか、よく分かります。

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僕は基本的に、コレステロールは下げなくてもいいという考えです。コレステロールが高い人のほうが寿命が長いし癌にもなりにくいというのが統計の示すところだからです。
ただ、コレステロールが高すぎると循環器系疾患の発生率が上がるというのもまた、統計的な事実です。だから、高すぎるコレステロールが好ましくないという意見にも一応同意できます。もちろん、だからといって薬は使いたくない。では、どうするか?
ここが栄養療法実践医として腕の見せ所です。

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まず、コレステロールを下げる栄養素の定番はナイアシンです。ホットフラッシュについての説明は必須だけれども、サプリのコスパを考えるとまずナイアシンを勧めるところ。
もちろん、アサイゲルマニウムチャーガにもコレステロールを下げる効果がある。
食材で改善をはかるなら、をしっかり食べるといい。スタチンの開発者の遠藤章博士は紅麹カビからロスバスタチンを発見したことを考えれば、紅麹を食べればコレステロールが下がるのは当然のこと。でも、必ずしも紅麹でなくとも、普通の麹でもかまわない。
あとはリンゴ酢も効く。特にBRAGG社のアップルサイダービネガー。あれを毎日スプーンに1杯か2杯くらい、水に薄めて飲んでごらん。疲れにくくなって、いつのまにかコレステロールも下がっているだろう。
ヨウ素を少量補うのもいい。特に肥満気味の女性でコレステロールが高いという人にはヨウ素がはまる可能性が高い。1滴とか2滴とかまずは少量から始めよう。
あと、もいい。論文は複数あるけど、たとえば1日24gの活性炭を4週間飲み続けるとLDLが25%低下し、HDLが8%上昇したという研究がある。
他にもウコンとか、ブラックシードオイルとか、まぁ勧め始めたらきりがありません。コレステロールを下げる手段は、ないどころか、ありすぎてどれを勧めるか悩ましいぐらいなんです。だからね、まずはこのスタチン、やめましょう。

「でも家族性コレステロール血症って言われています」
あのね、医者が「家族性なんちゃら」って言い出したら、全部無視してもらってけっこうです。患者をおどかすための常套句なので。「家族性」であるということは、発症するのは遺伝の必然であり、症状をコントロールするために薬を服用するのは避けられない。そういうふうに思わせるためのマーケティングフレーズだから、「家族性」という言葉を聞いたら、「ははーん、その手で来たか」ぐらいに思っておいてください。

「あと言い忘れてましたが、10年ぐらい前、PMSがあまりにもひどくて婦人科に行くとチョコレート嚢腫と診断されました。それで、ホルモンバランスを整えるためにヤーズを飲んでいました。それから1年後くらいに足が痛くなって病院に行くと、血栓症と言われて」

この言葉を聞いて、すべてがつながった。
ピルを飲んでいると血栓ができやすくなる。実際、この人の血栓はピルが原因だろう。しかし病院では「血栓予防にワーファリンを飲みましょう。あと家族性コレステロール血症だからスタチンも飲んでね」と、そもそも血栓の原因であるピルについては何も言われなかった。
根本の原因を無視しているばかりか、毒物としかいえない薬を処方された。
この女性の経験談は、そのまま、デタラメな現代医療の典型例になっている。

あと、胃薬も処方されているけど、これもやめたほうがいい。
最近の論文でこんなのがあった。

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今の胃薬というのはPPI(プロトンポンプ阻害剤)が主流だけど、これを4年以上飲んでいる人では認知症の発症リスクが飲んでない人に比べて33%高かった。

健康の秘訣は病院に行かないことです。救急医療だけは例外。交通事故のときだけは病院のお世話になろう。でもそれ以外は行く必要ない。
「あなたは○○病です。あなたにはこの薬が必要です」
真剣な表情でこういうふうに医者に言われたら、相当肝っ玉が据わった人でないと断れないだろう。言われるがままに薬を飲んで、やがて本当に病気になっていく。
病院の茶番劇は、大真面目な顔で行われている。これ、知っておこう。知らないと絶対だまされちゃうからね。

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「薬を飲む人は二度回復しないといけない。ひとつは病気からの回復、もうひとつは薬からの回復」
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