自閉症と腸内細菌1

お母さんが語る。
「生後8か月くらいの頃から、やたらと風邪をひくようになりました。鼻水や微熱が出て。月に一回はそういうことがあって。あるとき病院でフロモックスという抗生剤が出ました。でも効かなくて、そのあとにジスロマックという抗生剤が出ました。それを使ったら、効くよりも何よりも、急に自閉症っぽくなってしまって。『抗生剤でそういう症状が出ることがあるのか』と医者に聞いたけど、『そんなことはない』と言われました。でも子供の様子が明らかにおかしいので、他に4軒別の病院に行きましたが、どこに行っても否定されました。先生、抗生剤で自閉症のようになることは、ありますか?」

当然、あり得る。何人の医者が否定しようが、医学は多数決ではない。あるものはある。抗生剤を飲んだ翌日から急にしゃべらなくなった、という症例報告は珍しくないし、なぜそういうことが起こるのか、その機序もだいたいわかっている。鍵になるのは、腸内細菌叢である。

自閉症は神経疾患ということになっている。しかし、こんな研究がある。
『自閉症に対する腸内細菌移植療法(MTT)の長期的効果』
https://www.nature.com/articles/s41598-019-42183-0
MTTとは、いわゆる糞便移植のこと。「自閉症児に健常者の腸内細菌叢を移植したところ、症状が大幅に改善した。腸内細菌叢の多様性が増し、相対的にビフィドバクテリアとプレボデテラが優勢な腸相になった」簡単にいうと、健常者のウンコを移植したら自閉症が改善した、という話である。なかなか衝撃的な研究ではないですか?神経疾患が腸へのアプローチで改善したわけだから。いっそ、”自閉症は消化器系疾患”、と考えた方が当たっているかもしれない。

一般に神経疾患ということになっているが実は消化器の異常が発症の原因ではないか、という病気は、自閉症に限らない。多発性硬化症、パーキンソン病、アルツハイマー病でも腸内細菌叢の関与が指摘されている。(逆に、糖尿病や肥満などは代謝系疾患と考えられているが、発症には脳の炎症が関与していて、実際脳の炎症が改善するとこれらの疾患も軽快する。)
要するに、腸脳相関である。腸と脳は、一般に思われている以上に密接な関係がある。迷走神経の9割は腸から脳へと走行している(脳から腸ではない)。腸の情報は、脳にダイレクトに届く、と思っておいたほうがいい。

ワクチンが自閉症やてんかんの原因だとする研究は無数にある。多くの研究は、ワクチンに含まれる有害物質(たとえば水銀)が神経系に直接的に影響するとしているが、たとえばMMRワクチンは水銀を含んでいない。しかし、MMRワクチンの接種後に自閉症を発症した症例は多い。神経系への直接的作用以外の機序も考慮すべきだろう。
ワクチン接種によって、炎症性腸疾患(IBD)、腸重積、壊死性腸炎などが生じ、その後自閉症に移行するケースが多い。これらの腸疾患は、特に早産児に多いことが指摘されている。
なぜだと思いますか?なぜ早産児は正期産児よりも、ワクチン接種によって腸疾患を発症する可能性が高いのか?
腸に注目すれば、答えが見えてくる。

長らく、胎児の腸管内部は無菌状態だとされてきた。僕も医学部でそう教わった。しかし最近の研究ではこれは否定されている。無菌状態どころか、胎児の腸内では、胎児の成長段階に伴って、その細菌叢がダイナミックに変化していく。
「個体発生は系統発生を繰り返す」、という言葉があるでしょう?受精卵が細胞分裂を繰り返し段々と人間の形になっていくわけだけど、「発生の過程は進化の過程を繰り返しているのだ」、という主張。どうも胎児の腸のなかでもこれと同じことが起こっているようなんだ。
子宮に着床した胎児の腸のなかで、まず、バチルス(桿菌)綱が繁栄する。やがてガンマプロテオバクテリア綱(大腸菌など)が支配的になる。しかし最終的にはクロストリジウム綱が優勢となり、この状態で出産を迎える。産後、母乳を飲むようになるとビフィドバクテリア綱(ビフィズス菌など)が繁栄するようになる。
『バチルス→ガンマプロテオバクテリア→クロストリジウム→ビフィドバクテリア』
この腸内細菌叢の変遷は、環境因子(経腟分娩ではなくて帝王切開による出産であったり、妊娠中の抗生剤の使用など)によって遅延する可能性が言われている。
早産児の腸内は、ガンマプロテオバクテリアが優勢である。免疫系の維持に保護的に働くビフィドバクテリアやクロストリジウムは、早産児の腸内には存在しない。
さて、現在のアメリカのワクチンスケジュールでは、早産であっても児の体重が2.2ポンド(約1kg)あれば正期産児と同様に扱うことになっている。つまり、生後12時間以内にB型肝炎ワクチンを受ける。これを皮切りに、(狂気の)ワクチンスケジュールが始まる。
早期産児では自閉症の発症率が高いが、これには腸内細菌叢の未成熟が関与している可能性がある。
では、具体的に、腸内細菌叢がどのように脳に影響し神経疾患(自閉症も含め)の発症に関与しているのか。その機序については、また次回に書こう。

「ワクチンを打ってすぐにおかしくなった」ということであれば、お母さんも異変にすぐ気付く。因果関係がわかりやすいから。でもそういうふうにわかりやすいものばかりではない。ここがワクチンのやっかいなところだ。
たとえばアトピーになったり、卵巣炎になったりしても、まさかワクチンが原因だとは思わない。やたら風邪をひきやすかったり、中耳炎になりやすかったりしても、やはりワクチンの悪影響を疑うことはない。
製薬業者はうまいビジネスを思いついたものだよね。本当、感心するわ。

画像1

「すごく元気な子ですよ、先生」
「確かに。ここで一丁ワクチン打って、薬漬けの生活になってもらおう」

画像2

健康な赤ちゃんが生まれる→母、病院に連れていく→ワクチン接種→中耳炎などの感染症にかかる→抗生剤や解熱剤を処方→感染症やら病気を繰り返す→薬を増量→食物アレルギーやアトピーを発症→ここらでワクチンをもう一丁追加→喘息やADHDを発症→ステロイドやリタリンを処方→母、医者に感謝「助けて頂いてありがとうございます」
あのさ、もういい加減、目を覚ましませんか?

【参考】
『ワクチン後遺症~最初は腸、次に脳』

タイトルとURLをコピーしました